尋常じゃないクリニック(JNC)を目指す「みどり訪問クリニック」を世界のキタカズこと北和也医師に見てもらった―その3―
雑貨屋に見えた建物は紛れもなく「みどり訪問クリニック」であった。大量のケアネットDVDに囲まれご満悦の北和也医師ではあるが、当初の目的は忘れてはいない。ついに院長との戦いが始まる!前回の記事はこちら
※しつこいようですが、この記事は、tuno.akaiの提案に賛同した内勤スタッフ一同が、たまたま見学に来てくださった北先生を勝手に巻き込んで作成したものです。嫌がらずにご協力くださった北先生はステキです。
ついに院長が登場!北和也医師は打ち負かすことができるか?
院長:みどり訪問クリニックの院長、姜です。あなたがあの有名な世界のキタカズ様ですか。先ほどはスタッフの無礼をお許しください。
北:わかればいいんです。世界のキタカズは仏のような心を持っているのです。自宅は奈良ですから。ケアネットDVDを10枚くらいお布施としていただいていきます。
院長:で、本日はどのようなご用件ですか?
北:いやね、尋常じゃないクリニックがあると小耳にはさみましてね、「尋常じゃない」って聞くと対決したくなるのですよ。ま、それはそうと、姜先生はまだ往診中ですよね。患者さん優先してください。
北:私なら大丈夫です、ここは医学書だけでなく医学医療マンガもそろっているし、どちらかというと、先に読みたい。
スタッフ:姜先生、田島先生が予定より早く診療を終えたようです。姜先生の次の患者さん宅に行けますね。
院長:了解。田島先生にお願いしてみて。
スタッフ:はい。あ、田島先生からOKきましたー。
北:???・・・今、電話かかってきてないですよね?なんですか今の。
院長:今のはですね、患者さん宅にいる先生が診療を終えたのをスタッフが見てですね、あ、電子カルテに書き込みがあったから診療が終わったと気づいたんです。それで、私の次の訪問先の場所と訪問時間を見て、あ、これはgoogleカレンダーで全ての予定を管理しているのですぐにわかります。スタッフが私の代わりに行けるな、と判断し、チャットワークで依頼を送って、その返事がすぐに返ってきた、というわけです。
北:???意味不明なんですけど。
院長:そうですね、では実際に画面を見てもらいながら説明しますね。
勝ったのは世界のキタカズか?みどり訪問クリニックか?桶狭間に近いこの場所で繰り広げられたIT合戦の巻
スタッフ:はい。Googleカレンダーはご存知ですよね。みどり訪問クリニックでは訪問予定を全てGoogleカレンダーで管理しています。あ、そうそう、訪問を効率的に行うための使い方を以前紹介したのでお時間あればのぞいてみてください。
ちょっとの工夫で訪問効率を上げるGoogleカレンダー活用術!
北:は、はい。
戸田:(まずい、押されてきた、イジワルな質問で挽回しよう)先ほど電子カルテという言葉が聞こえましたが、外で使ってセキュリティーは大丈夫ですか?重篤な診療情報が洩れたら大変なことになりますよ!
スタッフ:もちろんセキュリティーは大切です。その辺りのことも以前紹介したので参照してくださいね。
効率化には欠かせない!電子カルテをタブレットで安全に使う方法
戸田:は、はい(汗)。
スタッフ:それでチャットワークですが、簡単に言うとメールの代わりにチャットで情報を共有しましょうということになります。
北:メールだとダメなんですか??
スタッフ:在宅医療や訪問診療はグループで行うものですから、情報の共有化が大切です。チャットワークは、1対1でのチャットだけでなく、グループ単位でもチャットでメッセージの送受信が簡単にできます。
メールだと、他のメールに紛れてしまったり、過去のやり取りをさかのぼるのが面倒だったりします。特に外での活動がメインである訪問診療では些細なことがストレスになり、効率を下げる原因にもつながります。また、メールの文章は暗号化されていないのでセキュリティー面でリスクがあります。チャットワークは全ての送受信が暗号化されていて安全なのです。さらにタスクのお願いをする機能などありますが、あまり紹介しすぎると広告になってしまうので、やめておきます(広告費をいただければ別ですがw)。
戸田:要は、世間に出回っているツールを取り入れて、在宅医療・訪問診療の業務効率化に役立てているというワケですね。チャットワークを使っている一般企業は57,000社ありますもんね(ふん、こんなことでは驚かないぞ)。
スタッフ:そうですね、チャットワークに限らず、他にも便利なサービスはたくさんありますからね。
院長:これを見てください。
北:なんですかこれは?患者さんの家の中??グルグルと360度見渡せますけど・・・。
院長:これはRICOHが出している「THETA」というカメラで患者さん宅を撮影したものです。コンパクトながら、本体の両サイドについた魚眼レンズで360度の写真を撮影できるのです。
北:マウスでドラグするだけで結構スムーズに見えますね。お、私はこういう所が気になるんですよね。
院長:そうです、患者さん宅を訪問していないスタッフと情報を共有する際、職種や人によって確認したい場所が異なりますよね。「THETA」だったら部屋で1枚撮るだけで360度記録でき、それぞれが気になる場所をチェックできます。通常のカメラだと、部屋全体を撮影するには四方八方という言葉の通り、十数枚撮影しないといけませんからね。かなり便利ですよ。初めて訪問する医師やスタッフでも、事前に画像を見ながら引き継ぎすると現場でアタフタせずに済みますからね。
北:でもお高いのでは?
戸田:「THETA」はAmazonで3万円強くらいですかね(1月6日時点)。私もカメラマンの端くれなので、チェックはしていましたが、在宅医療・訪問診療で応用できるなんて思ってもみなかったです(←実はクリニックにある大抵のグッツは調査済だったので他のツールには驚きませんでしたが、この活用方法には本当にビックリしました・・・)。
みどり訪問クリニックが尋常じゃないクリニック(JNC)なのかどうか?本当はウソだろうと暴きに行ったのですが、もはやメモ魔と化した世界のキタカズ。さすがは勉強熱心です。本来の目的なんてどうでもいいので(本当にどうでも良い)これからの糧になることは全て吸収していきます。
撮影裏話
この日の見学スケジュール
午前中:院長と患者宅を回り訪問診療の現場を見学
14時頃:クリニックに戻り、院内の設備を見ながら、スタッフと個別にお話
15時頃:この茶番劇のために写真撮影スタート
16時頃:クリニックが利用しているシステムやWEBサービスの説明を受ける
17時頃:北先生が、院長と医師にディープな相談を始める
19時頃:帰宅時刻になっても相談会が終わらないので(白熱していた)あわててスタッフが止めにいく。
この日の名古屋は大雪だったため、北先生は1時間遅れで到着されました。また、通常の見学ですと茶番劇のための写真撮影はないので+2時間くらいは他の体験ができます。もし宿泊可能な先生であれば、深夜までディープな相談会を繰り広げることも可能です。
在宅医療/訪問診療の現場を見学希望の先生は、ぜひご連絡ください。今まで見学にいらした先生からは「経営や運営についてのお話が特に面白かった」との声が多く寄せられております。見学に行ってもリクルーティングされないステキなクリニック、しかもこれまでの体験から得た知見はすべてシェアします。どうぞお気軽に。
では、最後になりますが・・・。
世界のキタカズが借りていったDVD。
北和也先生、ご協力誠にありがとうございましたm(__)m。
あと、見学に来られる方が迷わないように看板をつけました!